笑う猫には福来たる。

天童荒太 「家族狩り」(文庫版)

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天童荒太さんの小説は本当に考えさせられます。
「永遠の仔」にしても「家族狩り」にしても。
テーマはやはり「家族」。

「家族」は厄介ですよね。良い方向に向いているときは力強い味方でも、関係がこじれると最大の敵になってしまう恐れもあります。「家族」という檻の中ではお互いの距離が近すぎるために、ちょっとしたジャブのつもりが相手を打ちのめすパンチになってしまうことも・・・。



私も高校生までは母親とよく口論してました。もう理由も覚えてないんですけど。
私の中で「母とは分かり合うことが出来ない」と感じて一定の距離を置くようになったのは、いつものつまらない口論の結果、私のバイト先にまで迷惑をかけてしまったのがきっかけでした。
でもその後も精神的自立を果たせたとは言い難く、親に心配や迷惑はいっぱい掛けましたし、親も相変わらず口うるさく干渉し続けてましたけど。
まあ、あの頃の私なんて、ただの世間知らずの危なっかしい小娘でしたから、当然ですね・・・。

などと自分の半生の反省を促されるような小説なのですよ、これが。

登場人物は、娘に暴力を振るうアル中の男、責任逃れの教師、わけ分かんない女子高生、仕事には熱心だが自己満足な女、心を病んでいる妻がいるにもかかわらず不倫している刑事など、ほんとしょーもない人間ばかり。
また、その中で起きる事件も残酷で凄惨な内容ときてるので、物語の途中までは救いが見いだせなくて、心がかなり辛い状態でした。とはいいながら、第一部を読み終わる頃にはすっかりのめり込み、先を知りたくて、早く結末にたどり着きたくて、一心不乱に読んでしまい、あっという間の5冊でした。

最後、刑事の「どう生きても・・・・」という独白があるのですが、それを天童さんからのメッセージと受け取りました。そして、ほっとしました。これが「家族とは○○である」なんていう結論もってこられたら興ざめするところでしたけど、さすが天童さん。

「家族とは」について自分なりに考えたい方は是非ご一読を。お薦めです。

私は95年版「家族狩り」も読んでみたくなりました。

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by waraneko | 2005-03-24 21:17 |
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