笑う猫には福来たる。

福井晴敏 「Op.ローズダスト」

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 楽しみにしていた、福井氏の長編小説、最新刊。
 待った甲斐もあり、面白かったですが・・・。

 作品をおうごとに派手になっていく戦闘シーン。テロリストによる破壊活動は一般市民をも巻き込み、もはやDAISだけでは対処しきれない最悪の事態を引き起こします。市ヶ谷、警察、自衛隊、CIA、そして経済界の黒幕、さまざまな思惑が錯綜していく展開は、あいかわらず読み応えがあり、掛け値なしに面白いです。

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 ある種ワンパターン化されている、若造(今回はあえて若造といいます)とオヤジのコンビは今回も健在で魅力的に描かれており、特に“ハムの脂身”と揶揄され、公安警察で資料整理の閑職に追いやられているオヤジの活躍ぶりは、ありえないぐらいカッコイイです。オヤジが家庭的に恵まれているという設定も初めてで、そんなとこもちょっと嬉しかったり。



 ただひとつ残念だったのは、物語の核でもあるテロリストたちのテロに至る動機が、どう考えても幼稚だという点。
さらに、そのテロリストと戦う若造の思考も幼稚で、テロリストのリーダーとシンクロする精神が部活動のそれのように思え、「おまえらの青春の対価にこんなに甚大な被害を差し出さなきゃならない謂れはないぞ」的な怒りさえ湧いてくる始末でした。

 なので、いままでの作品では号泣ものだったラストもぜんぜん泣けず、『甘い』ラストに不完全燃焼。でも、もしこの作品がドラマなり映画なりになるとしたら、若造たちのある種一途な想いが動機となった、っていう設定はウケるのかもしれません。

 次作は、私のような世知賢い大人でも違和感なくのめり込めるような、甘さ控え目の骨太な小説が読みたいです。文句をいいながらも、こういったスケールの大きいエンタメ小説が書けるのは福井氏をおいて他にいないと思ってますので。
まだまだ期待しています。
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by waraneko | 2006-06-18 14:32 |
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