海堂尊 「チーム・バチスタの栄光」2006年『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。 成功率100%を誇っていた大学医学部付属病院のバチスタ手術専門チーム「チーム・バチスタ」で3例続けて術死が発生した。その原因究明に駆り出されたのが、同病院の万年講師にして不定愁訴外来医師の田口と厚生労働省の変人役人白鳥。医療過誤による術死なのか、故意による殺人なのか。調査を進めるうちにチーム・バチスタの光と影が明らかなっていく。 作者の海堂氏自身が大学病院の勤務医ということで、大学病院の内情が無理なくリアルに伝わっくる小説です。陰謀とまではいかなくても、勢力争いや足の引っ張り合い、憧れと嫉妬、などが渦巻いており、やっぱり、という感じ。 海堂氏の専門が何科なのかは分かりませんが、人物観察力の高さや人間の本質を見抜く手法に詳しい点など、小説を読むかぎりでは精神内科のような気がします。つまり探偵役の田口と白鳥は海堂氏の分身なのですね。 事件解明のためにバチスタメンバーに対して行われる聞き取り調査の手法に、パッシヴ・フェーズとアクティヴ・フェーズという耳慣れない言葉が多用されています。これをまったく性格の違う二人の探偵役、平和主義で穏やかな田口にパッシヴ・フェーズ、傍若無人で破天荒な白鳥にアクティヴ・フェーズ、を担当させることによってその違いと効果を明らかにしている点が見事だと思いました。 登場人物のキャラ良し、構成良し、謎解き良し、と新人作家さんとしては非常に上手いです。キャラ的には白鳥の破天荒ぶりが目立っていますが、田口の平和主義的凡人ぶりもいい味出していますので、是非次作も田口白鳥ペアものを書いて欲しいと思います。
by waraneko
| 2006-08-03 20:31
| 本
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