笑う猫には福来たる。

大沢在昌 「狼花」

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 新宿鮫シリーズももう9作目となるんですね。

 初めて新宿鮫を読んだのが1990年。15年以上も前になります。そういえばその頃はまだノベルズでした。
 2作目の毒猿は私の中でのベストオブ新宿鮫、そして屍蘭、無間人形、炎蛹とそれこそ心待ちにして読んだシリーズです。



 そのシリーズ9作目の狼花は、1作目から16年の年月を経て、かなり大人な小説になってしまいました。“しまいました”というニュアンスで分かる通り、ファンとしてはやや残念なんですね。
 でもしかたないです。鮫島は1作目の時点ですでに三十半ばでしたからね。いくら孤高の刑事として裏社会に恐れられていようとも、今はさすがに分別盛り、いつまでも尖ってばかりはいられませんよ・・・ねぇ。
 物語の舞台である新宿の姿も大きく変貌し、新宿での犯罪の質も変わっていく中で、対暴力団から対外国人犯罪組織にシフトしていかざるをえない警察組織の現状が狼花を読むと良く分かります。そういった背景もあり、初期の作品のような熱くヒリヒリした小説は生まれにくいのかもしれません。
 でも、それでも小説という、現実とは似て非なるものの中では、鮫島を初めとする登場人物には狂気をも感じさせる強烈な存在感、オーラを放ち続けて欲しいと思うのです。
 決して狼花が面白くないといっているわけではありません。ただ、展開のスピード感やアクションシーンの躍動感をほとんど感じなくなってしまったのが寂しいのです。上手くまとまっていて読みやすいのですが、ハードボイルドに安心感を覚えてしまっていいのかどうか。
 もし、シリーズ10作目の執筆予定があるのなら、時代錯誤といわれるぐらいの、こってこてのハードボイルドを希望します。
 一読者の単なるわがままですけど。
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by waraneko | 2006-12-04 21:32 |
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