森絵都 「永遠の出口」主人公「紀子」の小学校5年生から高校生までのエピソードを描いた連作短編集。 いわゆる思春期成長物語ですが、主人公が大人になり当時を振り返るという形で描かれているので、青臭さや暗さはなく、小気味良く読みやすい内容で面白いです。 小学生時代のお誕生日会、中学時代の非行、高校時代の恋愛等が短編のテーマとなっていて、盛り込まれたエピソードが自分自身の体験と重なり、共感できる部分がかなりありました。 特に表題作「永遠の出口」では、小学生でありながら既に女としての嫉妬心を持ち、異分子を排除しようとする女の子独特の意地悪さがリアルに描かれており、女性なら心当たりのひとつやふたつあるだろうなぁという内容です。 私は身に覚えがありすぎて、心の古傷がズッキンと疼きました。 時代背景が近い30代後半から40代前半の女性には、是非読んでいただきたいお薦めの一冊です。
by waraneko
| 2007-10-14 21:23
| 本
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